Sippied Column · 2026-06-27
吟醸香とは何か——華やかな香りが生まれる仕組みを知る
吟醸酒に感じられる「吟醸香」がどのような成分で、どのような醸造プロセスで生まれるのかを解説します。酢酸イソアミルとカプロン酸エチルの違いも整理します。
吟醸香とは
吟醸香(ぎんじょうこう)とは、吟醸酒や大吟醸酒に見られるフルーティな香りの総称です。バナナやリンゴ、メロン、洋梨などに例えられることが多く、吟醸酒を特徴付ける要素として広く知られています。
この香りは醸造の過程で自然に生成されるもので、特定の香料を添加しているわけではありません。
吟醸香を生み出す主な成分
吟醸香の主成分として広く知られているのが次の二つです。
- 酢酸イソアミル(さくさんイソアミル): バナナや洋梨に近い香りとして表現されることが多い成分。吟醸酒に一般的に多く含まれるとされます。
- カプロン酸エチル: リンゴやメロンに近い香りとして表現されることが多い成分。「協会1801酵母」など特定の酵母が多く生成するとされ、新潟系の淡麗辛口酒に多いと言われます。
これらは発酵の過程で酵母が生成するエステル類と呼ばれる化合物です。
吟醸造りと低温長期発酵
吟醸香が生まれやすい条件として、低温でゆっくりと発酵させる吟醸造りが重要とされています。温度が低いほど酵母がストレス下に置かれ、エステル類を多く生成しやすいとされています。
高精米(精米歩合が低い)で米の外層を削ることで雑味成分が少なくなり、酵母が生み出す香り成分がより際立ちやすくなると説明されています。
酵母の種類と香りの違い
使用する酵母によって、吟醸香のタイプが変わります。日本醸造協会が頒布する「協会酵母」には複数の番号があり、それぞれ香りや発酵特性が異なるとされています。蔵独自の自社酵母を使う場合もあります。
吟醸香が強い酵母を使うと华やかな香りが前に出やすくなり、逆に香りを抑えた酵母では落ち着いた印象の酒質になりやすいとされています。
上立ち香と含み香
日本酒の香りは大きく二種類に分けられます。
- 上立ち香(うわだちか): グラスや猪口に注いだときに立ち上がる香り。
- 含み香(ふくみか): 口に含んだ際に感じる香り。
吟醸香は上立ち香として感じやすい傾向にありますが、含み香でも感じられることがあります。温度や酒器によっても香りの広がり方が変わるとされています。
香りの記録で銘柄の比較がしやすくなる
吟醸香のタイプや強弱は銘柄によってかなり差があります。Sippied で香りの印象を記録しておくと、「この銘柄はバナナ系」「こちらはリンゴ系」といった比較が後から行えるようになります。銘柄ごとの特徴を 銘柄図鑑 で確認しながら記録を積み重ねていくと、好みの香りタイプが絞り込みやすくなります。
関連する銘柄をチェック
記録のついでに、こうした銘柄から試してみるのも一つの手です。気になったものは Sippied に残しておくと、次の一本を選ぶときの手がかりになります。
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